多分、卒論を今の方向性に決めた原点となっている本がある。
北山修が書いた「みんなの精神科」。

そもそも北山修は、精神科医なのだが、”フォーク・クルセダーズ
というフォークグループで大学在学中にデビューし、レコード大賞やら
有名な「帰ってきたよっぱらい」を作ったおっちゃん。

その人が、医療に携わっていて感じたこと
精神科と”みんな”の日常に壁がありすぎるという状況に
疑問を抱き、精神科に行くって”オシャレ”なんじゃね?
という提案をしている本がその「みんなの精神科」

神経症という病気があるが、これは心の風邪のようなもんなんだよ」

といった偏見を取り除くような説明から

「なぜ女性はゴキブリが嫌いなのか?ヒステリーという病気とは?」

といった心の病のこと、また、

「精神科の普及の為には、影響力のある人がテレビやラジオでそういう運動を
してくれたらと思うが、スポンサーの問題で無理だ」といった

その運動の難しさそして可能性・・・

はては、

ジョン・レノンが、精神分析医のところの通っていたとか

映画の解説、尾崎豊、障害者を扱った映画を作った人に

その勇気をたたえて贈る賞がある

ということなんかが書かれている。

短く説明したので、御幣は多少あるかもしれないが、

そんなことが書かれていたと思う。

  

日本には、流行というものがある。

彼によると日本人の1割が何か変わったとしても何も変わらない。

しかし、3割の人が変わると多くの人が変わってしまう現象が流行である。

そこに演劇が絡んでこないかなぁと思うのである。

また、前述もしたが、

日本には、障害者を扱った作品が皆無だ。

例えば、映画「レインマン」に代表されるような

病人や障害者を中心にすえ、喜劇っぽいというと語弊があるかも

しれないが、大勢の目を集中させるための娯楽要素を織り交ぜ

訴えなくてはいけないことを描く作品

これを作る人がいない。

作れない状況にあるというのも一つの要因だろうが。

だからこそ、

そんな作品を作ってみたいとも思う。


そんなところが原点の一つだった。